買いだめの心理:コロナ危機で高級品が売れないのは金欠からではない?

時事

こんにちは、Soi(@soieigo_27)です!

今回は、「Scarcity reduces consumers’ concerns about prices, even during a pandemic, research shows@ScienceDaily」を参考に、コロナ危機での消費者の買いだめの心理について解説していきたいと思います。

今回の研究は、Consumer Research誌に掲載された、インディアナ大学がコロナ危機での消費者の買い物心理を調査した初のペーパーです。

お店で高価格帯の商品が売れない。。

と悩まれている方には、実は消費者はお金がないから高いものを買わない、という心理ではないことが分かり、今後の販売戦略のヒントになるかもしれませんよ。

私のブログでは、他にも日本語には訳されていない海外記事を翻訳し紹介しております。一人でも多くの人に、有益な情報を共有できればと思っています。

【Soi】=国立大英米文学出身、在学中多数の英米文学を翻訳。英検1級。

それではさっそく見ていきましょう!

コロナ危機での買いだめの心理

現在の新型コロナウイルスでのパンデミックの中、トイレットペーパーや掃除用品などの過剰購入でお店の棚をカラにしている現状ですね。残されるのはジェネリック品や低価格のブランド品というケースも少なくありません。

Consumer Research誌に掲載されたインディアナ大学の最新の研究によると、この危機の中で、消費者は高価格製品を高品質とみなしておらず、不足感が製品の品質判断を鈍らせていることが明らかになりました。

この研究の共著者であるAshok Lalwani准教授は以下のように述べています。「不足感は一種の嫌悪感であり、その不足を補うために欲が掻き立てられ、十分量を求めるようになります。不足感を感じている人は、低価格と高価格の製品を一緒くたの価格延長として見てしまい、そもそも違うカテゴリーという認識をしなくなってしまうのです。」

これは、価格対品質の評価に与える不足感の影響を直接的に示す初の論文とのことです。この調査結果は危機状況下、つまり経済危機、自然災害、そして社会的混乱の最中に当てはまります。

つまり、危機下での消費者心理としては、高価格は高品質、低価格は低品質という認識をしにくくなるため、物欲の十分量を満たすために価格が安い製品を大量に買い込んでしまうということが分かります。

それでは、この最中でも高価格製品を売らなければならないお店側にとっての戦略についても見ていきましょう。

高価格帯の商品を売りたい側へのヒント

消費者は基本的に、製品の価格を参考にしてその品質を判断しますが、不足感がある状況下においては、消費者は製品を価格帯で分類しなくなり、価格に基づく品質を推測しなくなることが示されています。

高級店や高価格の製品を売りたいお店側にとっては影響が大きいです。Lalwani准教授は、”高価格製品=高品質”という概念を活性化させる方法の一つとして、状況あるいは環境的要因に多様性をもたせることを示唆しています。これはつまり、コンテストや賞金レースなどを通して、消費者に各種商品を価格帯別に分類提示し、製品の品質を判断させるための価格帯使用を促すことを含めています

Lalwani准教授は以下のようにも述べています。「消費者の物欲を減らすことも効果があります。例えば、店の中で暴飲暴食や買いだめの有害さを強調している絵や展示品、広告を出します。そうすることにより、お客の価格品質推論を向上させ、低価格品から高価格品への消費行動に移行させることができるでしょう。

不足感がお客の価格品質推論を減少させるため、彼らに価格品質推論を強く求める際は、特に高価格帯の製品割合が多いカテゴリーにおいては、≪セールは今週まで!≫≪在庫売り尽くし!≫などの不足感を煽る売り文句は使わない方がいいという結果になりました。」

つまり、消費者に高価格品への消費行動を促すには、消費者の価格品質推論を向上させ、不足感を減少させるということになります。

おわりに

買いだめの心理:コロナ危機でなぜ高級品は売れないのか、についていかがでしたでしょうか?

この危機の状況下ではやはり消費者の心理は通常とは違う反応を示していることが最新の研究で明らかになっているということですね。

買う側としては、不足感を埋めるために物欲を大量の商品購入によって満たさないようにすること。売る側としては、消費者に高価格品への消費行動を促すには、消費者の価格品質推論を向上させ、不足感を減少させること。

この分野での研究としては初論文みたいですので、消費者行動マーケティングにも応用できるかもしれませんね。

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